製本の加工には型抜きという加工があります。
製本を行う場合、出来上がるものは必ずしも四角いものである、という決まりはありません。
出来上がる書籍や雑誌、パンフレットなどさまざまなものの加工に使われているのが型抜きの加工です。
型抜きの加工を行うことで目につきやすく強い印象を与えるというメリットがあります。
奇抜な形の印刷物や商品のイメージに合わせて型抜きされたもの、ただ四角いものと比べれば何らかの形になっているものの方が目立ちますしデザイン性も高まります。
型抜きにはさまざまな方法があります。
ダイカット抜きという方法では、変形したフォルムで型抜きされるものでダイレクトメールやチラシなどにも使われるものです。
綴じたり、また折ったりした冊子の外形を型抜きするものです。
トムソン抜きという方法は型抜きの加工で最も一般的なものです。
トムソンと呼ばれる抜き型で打ち抜く方法です。
直線的に切断できないような円形など多種多様なデザインでの型抜きを行いたい場合に多く利用されます。
ブッシュ抜きは数百枚いっぺんに抜き加工できるもので、製本されたものを型抜きしたい場合に使われる方法です。
本や雑誌などのページ数や部数の多いものを型抜きで加工したい場合に多く使われます。
最も細かい加工ができるのがレーザーカットでしょう。
抜き加工の中でも、非常に細かい加工ができます。
写真のような、表紙の中央を型抜きしたような冊子の場合、中綴じ機にそのまま流すと、型抜きした穴が、機械に引っかかります。
そのため、引っかかる部分に、板をあてがったり、機械の特性を把握し、アイデアで乗り切りました。これも、「経験に裏打ちされた技術」のひとつとして、NS印刷製本の財産です。
このような、細かいアイデア・工夫の積み重ねで、これからもより高品質な製本を実現していきます。